2020年6月9日火曜日

帝王切開術の麻酔

昨年後半から北里大学で産科麻酔を学んでいる近藤先生ですが、木曜日だけ板中で勤務されています。
そこで先週木曜日、近藤先生から「帝王切開術の麻酔」に関する講義が突如行われました。本来は後期研修1年目の2人に向けてのものでしたが、他の者も聞きたいということになり、zoomも使用しながらの講義となりました。

質問が出たり、議論となったポイントは
・誤嚥予防、悪心予防として
出棟前にH2ブロッカーの投与&入室時にメトクロプラミドの投与が効果的。
帝王切開時の悪心・嘔吐の原因として、オキシトシンの急速静注やマーカイン量の不足などが影響している可能性があるとのこと。

・脊髄くも膜下麻酔の穿刺針
硬膜穿刺後頭痛PDPHの発生頻度はクインケ針>ペンシルポイント針。
今後当院でもペンシルポイント針に変更される予定です。
硬膜穿刺時の感覚がわかりやすいものの、ガイド針の扱いに慣れる必要がありそうです。
また27Gのペンシルポイント針は逆流がかなり遅いため、緊急時等は25Gの方がよいかもしれないとのこと。

・脊髄くも膜下麻酔に用いる薬剤
フェンタニル添加時の高比重ブピバカインのED95は11.2~12.6mg。
当科での高比重マーカイン使用量は上記と比較すると少ない様子だが、薬液の広がりは十分なことが多い。それは硬膜外麻酔を併用していること、硬膜外カテーテルを挿入した際のテストドーズが影響しているのではないかと推察する人が多かったです。
フェンタニルは10~25μg。
モルヒネは100~150μgで後陣痛にも効果的だが、呼吸抑制を監視するモニタリングが必要。

・子宮収縮薬オキシトシン
選択的帝王切開では1単位をボーラス投与後、2.5~7.5単位/hの持続投与。
分娩中に帝王切開に移行した場合、3単位を30秒かけて投与後、7.5~15単位/hの持続投与。
実際には慣例的、産科医からの要望により上記と比較すると急速投与での使用量が多いのですが、必要量を過剰に超えることのないよう、また副作用が出現していないかを注意深く観察するよう気をつけるべきですね。

簡易的に話題にのぼった点だけまとめてみましたが、実験的にzoomの録画機能を使用して今回の講義の様子を動画に残しています。当科メンバーおよび初期研修医など興味ある方は麻酔科控室のPCから見てみてください。


さて、4月からこのブログをたまに更新していた林ですが、今週から産休に入らせていただきます。もしかしたら今後も私が勝手にブログを更新することもあるかもしれませんが、板中での出来事などは後期研修2年目の岩崎先生・高柳先生が更新してくれることと思います。
川崎幸病院でも板中でも、能天気な私以上に、部長をはじめ周りの方々の方が私の体調やお腹の子のことを気にかけてくださり、産休まで無事に楽しく働くことができました。本当にありがとうございました。
半年後に復帰して働けるように頑張ります!

2020年6月3日水曜日

板中麻酔科がパワーアップします!

6月1日より渡部 晃士先生が板中麻酔科に加わりました!

それに伴い、セントラルクリニックで週3回ペインクリニック外来がスタートします。

昨今は周術期の管理として、硬膜外麻酔のように神経ブロックが麻酔科医として必要不可欠な分野となってきています。
神経ブロックの精度を高め、今まであまり行ってこなかった種類の神経ブロックも取り組めるようになるかと思います。

またペインクリニックに関しても体系的に学ぶことで、麻酔科医としての幅が広がり、当科の方針である「手術室以外にも活動の場を広げていくこと」が更に充実していきそうです。

ちなみに渡部先生は、日本人離れした長身とやや強面なお顔の持ち主ですが、いわゆるハーフやクオーターではなく、ルーツは純粋に日本だそうです。
趣味はゴルフと車で、ゴルフの腕前はかなりとのこと。
板中ゴルフ部?の活動も盛んになりそうですね!

実は私は、学生時代のポリクリや初期研修医時代に渡部先生には大変お世話になっております。
まさか板中で一緒に働かせていただくことになるとは夢にも思っていなかったので、渡部先生に対して畏怖の念を抱いていたことを思い出しドギマギしておりました(笑)

初期研修医から何度もベスト・オブ・チューターに選ばれている渡部先生と共に、みんなで板中麻酔科を更に盛り上げていきたいですね!