2018年2月15日木曜日

2/14 新見先生 勉強会

本日は症例報告で、「重症ASを持つ患者の股関節置換術」に関してです。

高齢者の約2%がAS(大動脈弁狭窄症)を持っていると言われており、重症になると狭心痛、呼吸障害、失神などを起こす。
症例1
90歳 高血圧、COPD、アルツハイマー認知症、AS(AVA:0.43)、EF:60%、頚部骨折で入院。
BP:98/55、HR:91、酸素2LでSpO2:95%、
局所麻酔+腰神経叢ブロック+鎮静で麻酔する方針となった。
術中、フェンタニルを少量追加で鎮痛コントロールは良好、血圧下げないためにネオシネジンの持続を行った。手術は無事終了し帰室した。7病日に誤嚥し、呼吸状態悪化、その後ARDSとなり、11病日に死亡となった。


症例2
80歳 AS(AVA:0.86)、TR:中等度から重症、EF:60%、CABG後、高血圧、認知症、盲目
頚部骨折で入院。ASに関してはTAVIの適応あるとのことだが、頚部骨折から手術することとなった。
全身麻酔で行う方針となった。術中はネオシネジン持続でバイタル安定し、手術は終了した。3病日に退院した。6病日に調子が悪いと外来受診した。自宅で様子見ることとなったが7病日に自宅で死亡していた。

もともと、股関節術後は心合併症が増えるとされている。
ASの患者では術後に11%に何らかの合併症が起こる、死亡率が5倍になるとの報告もある。
硬膜外麻酔や深部ブロックで行う報告もあるが、抗凝固薬、抗血小板薬を内服している高齢者も多いため、施行できないことも多い。
重症AS患者では手術決定するための4つの要素がある
①術前、術後のQOL
②家族の理解
③手術チームの理解(主治医、麻酔科、循環器、コメディカル)
④経済的問題

当院でも、80-90歳台で重症ASの手術は拒否されてきた方が、頚部骨折で手術に来ることが多くなりました。術後に残念ながら亡くなった方もいらっしゃるため、術前の本人、ご家族へ厳しい説明を行い、ご理解いただければ麻酔を行っています。
今まで麻酔した感想ですが、心不全を繰り返す、少しの負荷で呼吸苦が出るなどの非代償性期のASでは術後に状態が悪化することが多く、逆に、ある程度日常生活を行える、EFが保たれている重症ASの方は無事退院していることが多いと思います。


うちの医局員にも勉強会中に失神(居眠り?)する人いるのですが、まさかAS・・・。

赤嶺















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