2018年7月20日金曜日

7/17 勉強会

少し遅くなってしまいましたが、今回は7/17の勉強会内容についてご紹介いたします。
テーマは「オレキシン」です。
あれ、一番聞いてほしい医局員がいないようですが……


・オレキシンとは、近年、覚醒と睡眠制御における役割に注目が集まっている神経ペプチド。オレキシン受容体は中枢神経系に広く分布しており、脳幹や視床下部のモノアミン神経系に対して興奮性の影響を与えていると考えられています。

・今回紹介された論文は、Satoshi Toyamaらの共同研究チームによる、
『Nonpeptide Orexin-2 Receptor Agonist Attenuates Morphine-induced Sefative Effects in Rats』
(Anesthesiology 2018; 128: 992 - 1003)
という、麻薬性鎮痛薬による眠気に対する新しい戦略を示したものです。

モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬は、しばしば眠気や注意力低下などの副作用が問題となり、服用量を制限すると十分な鎮痛が得られません。この研究では、睡眠覚醒を制御するうえで重要なオレキシン2受容体の選択的作動薬を用いて、モルヒネによる副作用を緩和する可能性について検討しています。

オレキシン2受容体アゴニストとして用いられたのは、YNT-185・HClという物質です。ペプチドは血液脳関門を通過できないため、先行研究ではオレキシンを脳室内投与しているが、この非ぺプチド性の物質は全身投与でも効果を発揮できるとされています。

ラットにYNT-185を投与したところ、モルヒネの鎮痛効果に影響することなく、脳波や行動から観察されるモルヒネの鎮静作用を軽減させることが確認でき、眠気の治療薬としてのオレキシン受容体作動薬の可能性が示されました。

・オレキシンと麻酔薬との関連についての研究結果もいくつかあるようで、動物実験においてオレキシンを脳室内に投与した結果、覚醒を早めたというような結果が報告されています。

・睡眠と覚醒について、臨床的に問題となる疾患とオレキシンの関連についてもいくつかの研究結果があります。オレキシンのノックアウトマウスにYNT-185を投与すると、ナルコレプシーが改善することが報告されています。一方、不眠の治療薬としてのオレキシン受容体拮抗薬は、すでに2014年に商品化されており、スポレキサント(商品名ベルソムラ)をご存知の方も多いかと思います。

・うつ病などに対して精神刺激剤が投与されることがありますが、ナルコレプシーにも適応があり、具体例ではメチルフェニデートやモダニフィル、ペモリン、メタンフェタミンなどが挙げられます。メチルフェニデートやメタンフェタミンは依存性が高いことが問題であり、新しいメカニズムの精神刺激剤として、オレキシンの商品化が期待されます。


オレキシンの臨床応用については、今回の論文も動物実験であり、その有用性がヒトで確かめられるにはまだ時間がかかりそうということでしょうか。

とりあえず、向井プロはオレキシン不足であろうことが分かりました。商品化されたら、一番に投与して効果を見てみたいですね!聞いてますかー?笑



1 件のコメント:

  1. オレキシン!注目してますよ!ベルソムラと反対の作用する薬ができたらいいのにと思ってましたが、ちゃんと研究されてるんですねー。早く商品化してほしい!笑

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